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Vancouver Marathon 2020 (バーチャルレース)

5月3日開催予定だったバンクーバーマラソンの中止が発表されたのは3月13日。
私のレースに向けたトレーニングもこの日で止まってしまい、大会中止の脱力感も手伝って、軽いジョギングが中心となっていました。

「今年のバンクーバーマラソンはバーチャルレースとして開催します」というメールが届いたのは、それから一か月ほど経った頃。

5月4日から7月31日の間に自分が登録した距離(フル、ハーフマラソン、10kmなど)を走ったランナーにメダルや記念Tシャツなどを贈ります。
コースは自分で設定、トレッドミルを走るのもオッケーです。

でもそれは「Stay Home (家にいましょう)」とか「ソーシャル・ディスタンス」という言葉が拡がっていた時期。シーウォールでは自転車レーンを歩行者に開放。息を荒げながら、歩行者の横を通り過ぎるランナーが嫌われていた時期でもありました。
バーチャルマラソンを走ることはすぐに決めたけれど、「いつ」走るかは全く未定でした。

その後、バンクーバーマラソンはバーチャルマラソンの参加、不参加に関わらず希望者全員に記念品を贈ることに変更した旨を通知、5月半ばになると、記念品ピックアップの日程の知らせがありました。
ちなみにレースの参加費は返金されないけれど、記念品+2021, 2022 あるいは 2023年の参加費は75%割引です。

指定された日に、受け取ってきました。

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ビール1缶も含め、スポンサーからの品も


メダルを見たら本気で「走らなくちゃ!」という気分になりました。

週末はウォーキング、ジョギングをする人が多いので、私のバーチャルレースは平日の午前中で決まり。
6月9日(火)をターゲットに6月3日に21kmのロングラン。(通常フルマラソン前の最後のロングランは30kmなんだけど)

しかし、天気予報が変わり6月9日は雨らしい。小雨ならいいけど、雨の中は走りたくないので、レース日を6月12日(金曜)に変更し、9日から食事の調整(カーボローディング)を始めました。
すると予報がまた変わり、12日は雨らしい。
後ろにずらすと15日以降になってしまう。うーん、どうしよう。 結局ズルズルと引きづるのはイヤだったので、1日早めて曇り予報だった6月11日(木)をレース日に決めました。

次はルート。

ポイントはトイレと給水。普段のジョギングでは公園や通りに設置されている水飲み場を利用しているのだけど、今は新型コロナウイルスの関係で(不特定多数の人が触れるのを避けるため)使用禁止になっている所が多い。
いろいろ考えたあげく。無難にスタンレーバークの外周(シーウォール)を周回することにしました。一周10km弱のコースで使えるトイレが4カ所、水飲み場2ヵ所。信号はないし、今は観光客もいないので平日の午前中なら人も少ない。

ギリギリの決定だけど、なんとかなるでしょう。
今回はとにかく走ることが重要。 とは言え4時間は切りたいなぁ…。

そして迎えた11日の朝。

4時40分にアラームが鳴った。5時15分にセットしたはずなのに、眠いなぁとウトウトしていたら、5時15分に再びアラーム音。今度は飛び起きた。外を見ると雨は降っていない。
通常のレース日の朝と同じく、熱めのシャワーと一杯のコーヒーで目を覚ます。それから朝食を取り、軽いストレッチ。そして着替え。バーチャルとはいえレースなので、ゼッケンを付けることにした。7時半、これまた定番のアミノバイタル・パーフェクトエネルギーを飲み家を出た。

スタート地点で記念撮影、ぐずぐずせず、さっさとスタート。後で確認したら走り出したのは、8:00ちょうどだった。

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ここから写真撮影と給水担当のグゥはスタンレーパーク方面へ、私は逆方向へ1kmほど走った後、スタンレーパークへ向かう。自分で発した「用意ドン!」だったけれど、いつものジョギングと違い「シャキっ」として気分になれて、気持ちよい走り出し。
風は弱く、気温は低めなんだけど、湿度が高いので、汗がじわ~と出てきた。 陽ざしがないので寒いかも、と着用していた手袋だけど不要だわ。

反対方向から来るランナーが私のゼッケンに気づいて声援を送ってくれた。思わずニコッ。

1マイル通過、ラップ8:30

「わっ速い」

実際のレースだったら、「わっ、ちょっと遅め」というペースなんだけど、一人で走る時はいつも最初のラップは遅いので、8分45秒くらいで充分オッケーだったんだけど。

平日の曇り空の朝だけあって、シーウォールは散歩する人はまばら、ランナーも少なめで、ソーシャル・ディスタンスを気にせず走れた。
イングリッシュ・ベイ (English Bay) で先に到着していたグゥに会い、まず手袋を渡す、それからスポーツドリンク (Gu Roctane) を数口飲んで、先を急ぐ。

セカンド・ビーチ (Secondo Beach) のプールを巡り、ここからはスタンレーパークの外周を4周。

基本は歩行者に開放されている自転車レーンを走り、人がいる時は歩行者レーンに移動するパターンを繰り返す。 
ランバーメンズ アーチ(Lumbermen’s Arc) の水飲み場 (約6マイル=約10km) 手前でカロリーメイトを開封、半分を口に含もうとすると…ポロポロに砕けてしまった。この食べ方は走りながらでは無理みたいだ。
その後も8:30/mile前後のペースを保って、セカンド・ビーチ(約9マイル=約14.5km)に戻る。グゥはここで待機。これからはここが給水所。再びスポーツドリンクを飲み、トイレに寄って、2周目へ。

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サードビーチを過ぎた辺りで、前を走っていたランナーを二人追い抜いた。その後も淡々と走り続けていると、背後から…恐らく先に抜いた二人のうちの一人だと思うんだけど…ランナーの気配。息づかいから判断すると私を追い越そうとしてるみたい。ひとりマラソンで刺激が欲しかったので、追い越されないように気持ちだけペースを上げて走り続けた。結局抜かれることはなく、この区間は8:20/mi ペースだった。私の場合、もうひとふんばりできるのは、他のランナーたちのおかげ。

水飲み場手前で再びエネルギー補給、今度は小さなようかんで、これは数口に分けて簡単に食べることができた。 しかも久々のようかんは美味しかった。(笑) セカンド・ビーチ(約15マイル=約24 km) に到着。スポーツドリンクを飲み干した。グゥが「想定より速いペースで走ってるよ」と言ってくれた。

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3周目。反対方向から歩いてくるカップルが「3周?」と聞いてきた。「4周するんだ」と答えると、驚いた顔で「がんばって」と言ってくれた。1周目から声援してくれた人、2、3周目と何度か顔を合わせるうちに声をかけてくれたり、手を振ってくれた人も多かった。周回コースにして良かった。

補食はカロリーメイト。1周目で懲りたので、今度は立ち止まって食べた。コールハーバー (Coal Harbour) に出ると水辺は風が強くなっていた、しかも向かい風。疲れてきたところに、これはキツかった。ペースがどっと落ちる。「ダレちゃだめ!」と自分に言い聞かせる。ポツポツ降り出した雨は、セカンド・ビーチに着いた時にはザーザーになっていた。英語で言うシャワーと呼ばれる雨だ。 グゥからアミノバイタル・パーフェクトエネルギーを受け取り、一気に飲み込み、さらに水も飲む。売店(開いてなかったけど)が並ぶ場所は屋根があるため、何人かの人たちが雨宿りをしていた。彼らを横目に私は最後の一周へ。

4周目(最終周)。雨はあっという間に止んだ。通り雨で良かった。もう30km以上走って、かなりお疲れモード。でもラスト一周は気合だけで走りきる自信があった。空を見上げながら1周目と比べると雲が増えたなぁと思いながら前に進む。カロリーメイトもようかんも食べて、ポケットは空。ランバーメンズ・アーチの水飲み場で最後の給水。深呼吸をして再び走り出す。

少ししてスマートウォッチが24マイル地点を過ぎたことを知らせる。24マイルまでは一人で走ったことがある距離、ここから先は新たな挑戦だった…が、ペースがガクっと落ちることはなく、あと2マイル≒3kmだ!と思って走っていると、ブロックトン・ポイント (Brockton Point) 灯台の手前でカップルが立ち止まって、水面を眺めていた。こういう時は大概「何か」いる時。 二人はすぐに立ち去ったので、同じところを見てみると、な、なんと陸に上がろうとしていたカワウソと目が合っちゃった。 お互いにびっくり!(笑) カワウソは驚いて水に戻ってしまった。写真を撮らなくちゃ、と思ったもののウェストポーチに入れてあったiPhoneはすぐに取りだせず、カメラが準備できたときには、少し離れた水中から顔だけ出してこちらをじーっと眺めていたカワウソが水の中へ。思わぬタイムロスだったけれど、楽しい数秒。それで気分転換できたのか向かい風にもかかわらず、その後は足どりも軽く良い走り。

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ホントにカワウソ!!

フィニッシュ予定地まで1kmを切った辺りで距離が足りないことに気づき、Uターンして少し距離を稼いだ。グゥの姿が見えてきたけど、フルマラソン (42.195km) にはまだ400mほど足りない。

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「距離足りないから、ちょっと走って戻ってくる」と伝えて約200m走り、Uターンし、グゥがメダルを手に待っていた地点に到着。無事42.195km (26.2 mile) を完走。

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ラスト数kmは腰が痛くなり、ふくらはぎもパンパンになっていたけれど、上半身や腹筋の痛みが全くなかったのは楽な走りをした証拠。それでも一人でフルマラソンの距離を走りきったことには満足しています。「走ろう」と思った時点で、タイムはともかく完走するつもりだったけれど、実際に走ってみると「ひとりマラソン」ってけっこうクレイジー(笑) 
雨に遭ったり、カワウソに遭遇したり、思い出になるランになりました。ちゃんとフィジカル・ディスタンスはキープできたし、結果オーライ。

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 スタート
 イングリッシュ・ベイ
 セカンドビーチ(給水所)
 ランバーメンズ・アーチ(給水所)
● フィニッシュ

タイム 3:51:35
天候:曇り 一時雨
気温:15℃
風:南東2m(スタート時)~東南東4m(フィニッシュ時)


近所のレストランで遅いランチ。完走祝いということで、旬のボタン海老。

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【レース翌日】

走り終えた後ストレッチをすることをすっかり忘れていたのだけど、フィニッシュ地点から家までの約5kmをゆっくり歩いたのが、良いウォームダウンになったようで、両脚の軽い筋肉痛だけで済んだ。胃の調子もレース前と変わらず。
自己ベストに比べると10分ほど遅いタイムだったけれど、レースではその10分を削るために身体のあちこちを酷使しているのだと、あらためて認識した。
後半、腰が痛くなったのは、ここしばらく体幹トレーニングを怠っているせいもありそう。ちゃんと計画立ててトレーニングせねば。



by celeste98 | 2020-06-15 07:30 | Running | Comments(0)
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